2019年7月26日(金)~28日(日)にアメリカ・ワシントンD.C. Walter E. Washington Convention Centerにて開催されました北米における最大級のアニメイベントの一つである「OTAKON 2019」より招待を受け、TVアニメ「ゆるキャン△」の監督である京極義昭さん、大垣千明役の原紗友里さん、本作プロデューサーである株式会社ディー・エヌ・エーの堀田章一さんがトークイベントやサイン会などイベントに参加いたしました。
初日の7月26日(金)は、まず開会式に登壇。各作品より今回OTAKONに招待されたゲストが順番に出演し、「ゆるキャン△」からは京極義昭監督、大垣千明役の原紗友里さん、堀田章一プロデューサーが一言ずつ挨拶いたしました。原さんは英語で「Hello, everyone!」と挨拶。3人が登場しただけで会場は大盛り上がり。さらに3人は現地に来ての感想や、当日行うパネルのPRを行い降壇いたしました。
その後現地の方と触れ合うサイン会を挟み、『「ゆるキャン△」に至るまでのこれまでの歩み』をテーマに原さん個人のトークイベントおよび京極監督と堀田プロデューサーが登壇するトークイベントが行われました。どちらのステージもお客さんによる質疑応答では、質問するマイクの前にたくさんの列が出来、盛況うちに終了いたしました。
そして京極監督、原さん、堀田プロデューサーの「ゆるキャン△」チーム3人が出演するパネルも初日に行われました。お客さんからの歓声とともに、3人は登壇致しました。まずは一言ずつ挨拶。堀田プロデューサーからのお客さんに向けて、「どのキャラクターが好き」かを聴いたところ、「なでしこ」「リン」など会場から声が上がりましたが、原さんの「ち、ち、ちあ」という先導のもと「千明」とお客さんに言わせ、会場を沸かせました。
「ゆるキャン△」の仕事を受けた時の初印象について聞かれ、京極監督は「最初に原作を読んだときに非常に完成度が高い作品だと感じ、このような完成された作品をアニメーションにするのが非常に難しいので、どうやってこの魅力的な作品を映像化しようか頭を悩ませた」と答えました。また原さんは最初オーディションを受ける際に2キャラ選んで良いと言われ、千明となでしこを選び、テープでのオーディション後、スタジオに呼ばれた際には千明一人に絞られていたと告白。堀田プロデューサーからはすかさず「原さんのなでしこも可愛かった」という感想が。さらに京極監督からは「千明の声は原さん以外考えられなかった。」「千明の芝居はアフレコの時にあまり直さなかった」と称賛する場面も。
続いて仕事を受けた際の意気込みを聞かれ、京極監督はやりがいのある作品でやる気がみなぎっていたという。堀田プロデューサーは、自分から皆さんにお願いした立場なので一緒に頑張っていきましょうという気持ちだった。とコメントしました。原さんは原作を読んだときに、キレイな世界観だったので、千明の明るくコミカルなキャラが世界観を壊してしまうのではないかと不安に思っていたが、やりすぎたら止めてもらえると思い、全力で演じさせていただきました。と語りました。
続いて作品を作り終えた後に改めてキャンプに行きたくなったかを聞かれると、京極監督は今も行きたいと思っているが、忙しくあまり行けていないが、2期のロケハンのために久々に取材に行き、楽しかったと語りました。それに対し原さんは連れて行ってほしいと監督にお願いしていました。さらに京極監督はソロキャンプにも挑戦したことを話しました。自由に時間を使えるし、リンと同じコンロで肉を焼き美味しかったと語りました。堀田プロデューサーは、「ゆるキャン△」を最初にやると決まった時に、堀田プロデューサー、京極監督、アニメ制作プロデューサー、メインシナリオライターの4人で本栖湖にキャンプに行ったと告白。京極監督からはそのキャンプで夜まで雨が降っていたが、朝になると晴れており、きれいに富士山が見え感動したため、一話の富士山を描くことが出来たと語りました。
続いてはお客さんからの質問のコーナーへ。
作中にたくさんの料理が出てくるが、作画するために実際に調理されたかとの質問があり、京極監督は作品に出てきた料理は一度調理し、キャラクターデザイナーの佐々木睦美さんがすべての料理を作画修正したと説明。佐々木さんは食べることが好きなので、とても美味しそうに描いてくれたと語りました。京極監督の一番お気に入りの食べ物は寒い中で食べた担々餃子鍋だったとのことでした。
続いて作中で音楽が重要な役割を担っているが、音楽の使い方は最初から狙っていたのかという質問があり、堀田プロデューサーは「もちろんです」と答えました。アイリッシュなどを中心とした民族音楽はアウトドアをテーマにした作品に合うはずと考えていたと語り、さらに音楽を担当した立山秋航さんが非常に魅力的な音楽を制作してくれ、より狙っていた以上の効果も出たと語られました。また京極監督からはこの作品独自の珍しい試みとして、出てくる7か所のキャンプ場に合わせて、7つのテーマソングを制作し、そのキャンプ場ではその音楽以外使用しないと決めていたと告白しました。
さらにOP・EDについてもどういった曲をオーダーしたのかを聞かれ、OPについては「キャンプに行く車の中で掛けたくなるような曲」とリクエストし、EDについては「焚火を囲みながら聞きたい落ち着いた曲」というリクエストをし、OPから本編、そしてEDまでを通して一つのキャンプ体験が出来るような音楽作りをしたと堀田プロデューサーは語りました。
続いて第2期、映画に関してどのようなテーマで作っていくか質問があり、第1期はリンとなでしこの出会いから野クルに仲間が増え、いろんな人やキャンプへの出会いをなでしこが知るという物語であったと京極監督が説明。そしてこれからのシーズンについてはキャンプから遠くへ移動していく旅が多く含まれていくと明言しました。さらに、リンやなでしこが新しい旅に出かけることで、自分たちの今までを振り返るような内容になると思うとも語りました。
そして最後に、堀田プロデューサーは『楽しい時間でした。ありがとうございました。』、原さんは『私も知らないことが多く、「ゆるキャン△」についてだいぶ知ることが出来ました』と感想を一言ずつ話し、さらに京極監督からは『これからも「ゆるキャン△」は続くので是非楽しんでください』とファンの皆さんに向けてメッセージを頂き、ステージは幕を閉めました。
2日目は初日同様サイン会を開催。初日のパネルを受けてさらにたくさんの方々に訪れていただきました。さらに3日間を通して、4月に公開した「ゆるキャン△」のシリーズビジュアルをチョークで描いたチョークアートも制作されました。
「ゆるキャン△」初の海外のイベントで、ファンの方々からの熱い想いを受け取り、ワシントンD.C.を発ちました。